本項では、マリアナ諸島の先住民である「チャモロ」が作成していた石柱、「ラッテ・ストーン」について解説する。
テニアン島を中心に栄えた文明、「タガ王朝」の象徴的遺物。
「タガ・ストーン」とも。チャモロ人の歴史は「ラッテ以前」「ラッテ以後」(そしてスペイン領有以降)に分けて語られるほどに重要な存在。
石の柱「ハリギ」の上に半球の平らな部分を上に向けた「タサ」を乗せた、キノコのような形状をしている。「ハリギ」は石灰石など地上の石、「タサ」にはサンゴ礁の石が用いられている。
テニアン島を中心に、マリアナ諸島の各地に残されている。
現代でもマリアナ諸島の重要なアイコンであり、現代のアメリカ合衆国自治連邦区「北マリアナ諸島」の旗にも記されている。
スペイン人はチャモロ人たちの生活についてあまり関心がなかったようで記録が乏しいものの、建造物が高床式であるという記録もあるようで、「ラッテ」は高床式の建造物を支える支柱であると考えられている。
同じ高さで2列平行に並んで残ることが多いこともそれを裏付けている。特徴的なキノコの傘のような上部は「ネズミ返し」のような役割を担っていたのだろうか。
ラッテは様々なサイズがある。小さいものは1mに満たないが、テニアン島に残る最大のラッテは5mほどの高さがある。
なお、チャモロ人はこの石に、古代チャモロ人の霊、祖霊「タオタオモナ」が宿るとしている。キリスト教により破壊される前のチャモロ文化では祖先を深く崇敬しており、その頭蓋骨を住居内に祀っていたとされている。
外部リンク
「グアムの歴史 |グアム政府観光局 」